筋骨格解析は人間の動きを物理的に計算し、従来の姿勢推定に加えて筋肉レベルまでシミュレーションを行うことができます。従来のように専用のモーションキャプチャ設備や複数のカメラ、キャリブレーション等の煩わしさを軽減し、単一画角の画像・映像データまたはライブ映像だけで利用可能です。
開発者は、MYoACTエンジンから出力された関節角度・床反力・関節トルク・筋活動のデータ群を用いて、医療やスポーツなど人の身体の動きが関わるアプリケーションを開発することができます。さらに、データから推定される結果を算出する医療用のミドルウェアや、スポーツのトレーニングに活用可能なミドルウェアなど、便利なデータ解析ライブラリ郡を備えています。

アプリケーションで想定される時系列データは、時間・筋肉活性量・関節トルク・外板力・把持している物体の座標など複数のデータを同時に利用することが想定されます。
それぞれのデータに連動性をもたせる事によって、同時に複数のデータを同期して利用することが可能となります。MYoACTエンジンでは、利用可能なデータ同士の時間的な同期は自動的に処理され、合わせてデータの前処理用のライブラリや後処理用のライブラリ、それぞれをカスタマイズするインタフェースを備えています。

MYoACTエンジンが提供する点群データは3次元データであり、かつ力の向きを表すベクトルデータでもあります。このデータを標準的に表現する機能として3Dビューアーを提供します。
3Dビューアーでは、解析結果のデータを時系列にそって再生したり、視点を360°自由に動かすことができます。
加えて、3Dの人間のモデルデータを変更したり、筋肉だけの表現にしたり、骨格だけのモデルで表現したりと様々な形式に対応しています。

MYoACTエンジンから得られたデータは、3次元の座標データと力の向き、筋肉活性量、外板力の推定量です。このRowデータだけでは特段の意味を持ちません。アプリケーションで利用するためには、このデータ郡に意味をもたせる必要があります。
例えば、膝の動きが悪いと推定した場合には、膝の病気を予測するなどといった使い方が考えられます。この様にデータから何かしらの問題点を推定したり、よりよい改善につながるような推定を行うライブラリを提供します。
複数の解析結果と同時に解析できることから、自分と他人、過去と現在、予想される未来といった比較を行うことで、更なる問題点の抽出を行うことが可能となります。

MYoACTエンジンで生成されるデータは膨大であり、各関節毎に座標・トルク、向き等々のデータが生成されます。MYoACTエンジンでは、これらのデータをグラフ化して視覚化する機能を提供します。複数のデータを同時に重ねて表示したり、別々のデータを同時に解析したりが可能です。
データを解析するために設定したパラメータや、メタデータを簡単に管理するためのストレージやアセットを管理するためのインタフェースも提供します。

MYoACTエンジンから生成されるデータは、高額なモーションキャプチャ設備と筋電センサー、フォースプレートといったハードウェアと同等の精度を実現します。この精度は、研究職に従事する研究者の学術的な評価に利用可能なレベルであり、エンドユーザむけのアプリケーションだけではなく、製品開発や基礎研究の発表にも活用できます。
また、データ解析で利用するために必要なデータ変換・推定・検定などの統計学上でよく利用されるデータ解析ライブラリを備えています。